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決意
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「おいハルト。名残惜しいのはわかるがそろそろ行くぞ」
学校の前で車を止めていたハルトの父が待ち切れずに運転席から出てきた。
ハルトは魂が抜けたように去る学び舎を見上げている。
その瞳には感情らしき感情は浮いておらず、しいて言えば無情のごとく白い色が漂う。
「…あいつ、泣いてないか」
「知らん。お前は泣かせないために行くんじゃないのか」
もっともな言葉にハルトは口をつぐむ。くそみたいな学校生活だと思っていた。
シュウの傍にいたいがために選んだのに、おかしな連中どもに絡まれろくな日常を送れないじゃないか。とふてくされたものだ。
俺はシュウのために生きると誓ったのはいつからだろう。
気がつかないうちに動きが体になじむように自分の中で浸透していった。
あいつのためならなんでもできる。
そういうにはまだまだ実力が足りない。彼と過ごすためにはもっと強く、もっと高いところへ到達しなければ幸せにはなれない。
自分もシュウも。
だから決意した。
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