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目覚めは奴のポーカーフェイス
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生温かい布団の上でシュウは目を覚ました。
初夏の訪れは室内の気温にまで及んでおり、不快指数をマックスにあげている。
寝苦しくて蹴っ飛ばしていた掛け布団を寝ぼけ眼で回収し、ベッドの傍に置いてあった目覚ましを見た。
時刻は8時55分。
土曜の学生が起きるのにはまだまだ早い時間帯だ。
ぬるい風を送り続ける窓を閉めようと身体を乗り出すと、外の光景が目に入ってくる。
青い空、白い雲。
どこまでも透き通った鮮やかなブルースカイにシュウは目を細めて感じ入る。
こーんな気持ちいい日に、どっか行きたいなぁ。
ふと外に出たい衝動に駆られ、首を折るとシュウの眠気が一気に吹っ飛んだ。
じっと無表情でこちらを見上げてくる男に、見覚えがありすぎたからだ。
憎らしいほど端正さを極めた顔立ちを見た瞬間、シュウの記憶がよみがえる。
「うわああああああ!」
叫びながら階段を転がり落ちると、母親が居間から顔を覗かせてきた。
「どうしたの!ハルト君に殴られる夢でも見たの!」
「それに近いけどおしい!あいつと遊ぶ約束してたの忘れてた!」
「あらまー。早くしたくしなさい。朝ごはん何にする?」
「ジャムたっぷり塗ったパン!」
「バターね。了解!」
「耳掃除ちゃんとしてる?」
慌てて脱衣所に駆け込み、服を脱ぎ捨てて着替えを行うシュウ。
そして朝食の場に移動すると、マーガリンを塗りたくられた食パンが置かれていた。
ゆっくり食べる余裕もないので、食べながらドアを蹴破った。
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