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番外編:リプライ
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「ねえハルト」
「なんだシュウ」
雑誌を読んでいたハルトは顔をあげない。
それに頬を膨らませて、ゲームを中断し本を読んでいるハルトに膝をついたまま近づいた。
四つん這いで迫ってくるシュウに一瞬だけ視線を向けたが、すぐに本の世界へ戻ってしまった。
難しそうな文字が羅列する本を後ろから覗き込むが、シュウの知識では全く理解できない。
これじゃあ話を合わせることもできない。
どうしようかとおどおどするシュウにあきれながらハルトは彼の頭に手を置いた。
強引にこちらへ引っ張りぐりぐりと髪の毛をかき混ぜてやる。
「かまってほしいなら最初から言えまどろっこしい」
「うー…はっ恥ずかしいじゃねえかよ!察しろ馬鹿!」
「おれはエスパーじゃないんだ。このページ読み終わったらかまってやるから待ってろ」
「ほんとだな!本当に本当だな!待ってる!」
嬉しそうにぱぁっと笑う。尻尾が付いているならちぎれんばかりに振っているだろう。
「ああ、おとなしくしてろ」
「うん!」
「ほら読み終わった」
「はやっ!?」
分厚い本をたたきつけるように閉じ、ハルトはシュウに向き直る。その目つきが放つぎらぎらとした光に圧倒されて後退してしまう。
「なぜ逃げる。かまってほしいんだろう」
「いっいやハルト目が怖いよ目が…!」
「せっかく我慢していたのにお前のせいでパァになった。責任とれ」
「いっいやだあああ!うわああああ!」
「逃げるな」
襟首を掴まれたシュウがどんなふうにかまわれたのかは、また別の話。
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