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こわいひと。 6
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「......っ、い..」
電車の揺れる音と誰かの話し声の隙間に、
不意に聞いた事のある声が混ざっていた気がして
袖野は思わず辺りを見回した。
見つけたところでどうしようというのか、
全く見当もつかなかったのだが。
それでも必死に探していた。
もしもそれが幻聴であったならば、自分はいよいよ彼を遠ざけなければならないから。
しかし車両の中に彼らしき姿は見当たらない。
「....ミナミくん...?」
何故か、迷子のような声を出してしまう。
彼の姿を見つけたいと思っている。
それは幻聴じゃない証拠が欲しいから、
という言い訳で彼の顔を見たいからか?
顔を動かし、
爪先立ちをしたところでようやく彼の姿が視界に入った。
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