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あの記憶
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何分走っていただろう。靴を履き忘れて素足のままで。
痛みなど感じていられない。
苦しい苦しいあの世界よりはましだから。
少し落ち着いてきただろう。公園が見えてきていて
そこのベンチに座る。
深呼吸をしていると涙がまた出てきて、
「そんな…………………、」
それ涙を必死にぬぐう、
でも
「竜だもん、大丈夫だよね、うん、大丈夫だよ、
竜そんな人じゃないもん、うん、うん。」
自分に言い聞かせるように言葉にする。
それじゃないと、怖くて怖くてしかたがないから。
「ねぇねぇー、なにしてるの?こんな夜に〜」
若い男の人の声がして少し驚く。
後ろを振り返ると1人の男の人と、後ろの車から
また1人降りてきた。
「あ、あの…………な、んですか?」
「ありゃ、男の子だよこのこ、
でも可愛い顔してんねー」
ニヤニヤしながら顎を持ち上げられる。
半泣きになっていたから、その人が余計怖くて
涙がまたでてくる。
「泣いてる泣いてる〜可愛い、この子とならできそうー!」
「はー?男だぜー?何言って、…………ってなるけど、
俺もこいつならできそう、」
もうひとりの男の人が俺の顔をみてそんなことをいいにくる。
やだ、やだ、怖い、怖い、
「やぁっ、離してぇ、っ、」
手を払おうとするが、全然力が入らない、
どうしよう、
「おう、おう、暴れんなって、ていうか、力弱すぎ笑
やってほしいんじゃないのぉ?」
「そんなっ、ちが、いますっ、…………」
「んー、ここだとバレそうだから、
あそこ行くか。」
「あぁ。」
そういわれると、急に俺を抱えだして
「やぁだっ、離してっ、お願いしますっ、
お願いしますっ!」
「はいはーい、大丈夫だよー!」
車に乱暴に乗せられて、手を掴まれながら
車が閉まるのをみて、また閉じ込められた、
あの記憶を思い出した。
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