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3 …ぷちっ
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「本当に申し訳ございませんでした…っ!」
今オレは、静まり返った会議室で横谷に頭を下げている。
なぜかって?まぁ、お察しの通りだ。
会議室に入ったオレは、十数名の冷たい視線と横谷の般若のごとく眉間にシワを寄せた顔に目を伏せ、二時間弱の会議をしのいだ。
その後、般若のままの横谷に呼び出しをくらい…現在に至る。
『深澤さぁ、本当に何してくれてんの?今日の会議、結構大事なやつなんだけど?』
「はい…。」
確かに今日の会議は、中野薬品の重要取締役様などのお偉いさん方が多くいた。なんでオレがそんな大きい会議に出席出来たかというと、今月の成績が良かったためだ。
もう当分は出られないだろうが…。
『オレ、ちゃんとカレンダーに書いておいたよな?ちゃんと見ておけよ。お前がちゃんと見ておけばこんなことにはならなかったんだな、自覚してんの?』
……は?これは少し理不尽じゃないか?昨日の夜、オレが帰る前に口頭で伝えてくれればオレだって遅刻はしなかったはずだ。
それなのに、遅刻した責任を全てオレに押し付けるのか、こいつは。
……ぷちっ。
「…よこ……ぶ、部長も、大事なことはオレに直接言ってくださいよ……!」
『……はぁ?』
部長の声色が鋭くなり、思わず下を向く。もう後戻りはできない。
『なに、お前、オレがみんな悪いって言ってんの?』
「…いや…そういう訳ではなくて…。」
『じゃぁなんだよ。オレにどうして欲しい訳。』
「ぁ…いや……」
これは、やばい。
横谷の怖さを改めて実感する。
低くて鋭い声。畳み掛けるように相手を追い詰める言葉。そして、横谷を取り巻く紫と黒が混ざったような名称し難いオーラ。
蛇に睨まれた蛙とはオレのことだ。
『そっちが黙ってんなら…、こっちも強行手段とるしかないよね?』
「…ぇ。」
何を言い出すんだ、と顔を上げたとき。
横谷は、イヤらしく笑っていたー。
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