アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
注射
-
「あっ、そうでしたかぁー!旦那さんににそっくりですね!」
「はは、嬉しいです」
えっ、
そう言えば、登坂さん僕のお父さんに少し面影が似ている。
整った顔たちと、透き通る鼻筋、少しブルーかかった瞳
ぅーーん、似てるようなぁ
ふと、蒼汰に視線を向けると嬉しそうに微笑んでいた。
嬉しいよね?
こんな、美男に似ているって言われて
『では、検査していくよー!口を大きく開けてください。あーーん』
「あーーん」
『あー、喉の奥が腫れてますねぇ。よーし、蒼汰くん一応予防注射しとくよー?』
そう言って、蒼汰が嫌いな注射器が出された。
この時期、風邪をひく人が多く、嘔吐下痢も流行っているらしい。
あー、蒼汰泣いちゃう
「うぇーーん!!いやぁーー!!」
ボロボロ泣き崩れ、イヤイヤッ!っと暴れだしてしまった。
ここは、僕の出番だ
「蒼汰おいで〜」
優しく声をかけ、振り向く蒼汰に手を広げ小さな体を受け止める。
「ままぁ、おーちかえろぉ〜うぅッ!」
「注射嫌だよね?注射しないとママとパパと一緒に家に帰られなくなっちゃうよ。ママ寂しいなぁ」
少し、きつい事言ってるようだけど…
蒼汰の性格上、追い詰めるように問いかけると素直に理解して受け止めてくれる。
こんなこと、しちゃいけないんだろうけど…
「いや!おーちかえる!!」
「一緒に帰ろ?数秒我慢するだけで家に帰れるよ?」
「うん!! 」
涙も止まり、再び登坂さんの膝に座り腕を出す。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 110