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僕sideです。
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スーパーに着いたかと思うと、僕の前を歩いていた蒼太がいきなり……
「たんだーぐ」
と、言い出した。
不思議な顔をした後、僕の顔を見て頭の上に『?』を浮かべている
「えっとぉ、あの、その、……ハンバーグ……の意味です。」
「あっ、そうなんですね?笑可愛いなぁ蒼太くんはぁ?」
と言って、きょとんとしている蒼太の頭をなでなでしている
優しい人なのかな?
それとも、罠かな?
どんどんのめり込んでく
彼の優しさに……。
ダメだって分かってるのに。
「蒼太くんは、ハンバーグが好きなのかな?」
「ちゅき!たんだーぐ!」
「そっか、じゃぁ今日の夜ご飯はハンバーグかな?」
「ちょーだよ♪」
どっどうしよう。
これって、夜ご飯誘えって合図?
いっ嫌だよ。
でっでも。
「あっ、のぉ……もし、よければ……食べて帰ら…れますか?」
「いえ、遠慮なく笑」
遠慮して…………くれた?
分かんない。
何考えてるのか……
読めてこない
この人が、僕に何をしようとしているのか……
お金?
命?
「なんでぇ??たべゆ?!!」
「そっ蒼太も…こう言ってます……し。」
「もう少し、伊藤さんと打ち解けてからご飯呼ばれてもいいですか?」
打ち解けて……から?
僕のせいで怒っちゃった?
愛想笑いぐらいしろよって思った?
僕が居るだけで、うざい?
わかんないよ。
すべてが…………
「…………すみません。僕の…せいで。」
「あっ、いえ、そんな意味じゃなくて(汗) 」
「…………すみません。」
「謝らないでください。伊藤さん?そんなに私は怖いですか?」
こっ、怖いに決まってる。
僕を、気持ち悪いって思ってるのに。
分からない。
人が…………人間が…。
「っ!!………………はい。」
隣にいる蒼太は、頭の上に?を浮かべてこちらを伺っている。
そうだよね…………。
空気悪くしちゃったよね……。
蒼太ごめんね
「そうですか…笑 じゃぁ、伊藤さんに好まれるにはどうしたらいいですか?」
「えっ、………………」
何言ってるか分かんない。
話が入ってこない。
「急に、すみません笑 私も、宮野さんみたいに伊藤さんと親しくしたくてですね?笑」
「はい。」
「まぁ、ゆっくりお互いに慣れていきましょうね?」
また、だ、そうやって優しくしないでよ
ぼっ、僕単純だから……
すぐ、優しさに触れてしまう。
罠だってわかっていても。
知ってる。
このあと、こんな優しさも裏切りに変わるって
知ってる。現実は幸せじゃ無いってことも。
でも、………………いいよ……ね?
今だけは…………
今まで感じたことのない、感情がプツプツと湧き出てくる。
知らなかったんだ
人の愛を……
知らなかったんだ。
人が優しい事を……
ぼくは、自然と笑って『はい』と答えていた。
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