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夜なべの青木さん(番外編)
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(この様な拙い小説に、いまだ『お気に入り』や『しおり』を付けて下さいます皆様、本当にありがとうございます。もう書かまいと思いながら、それを付けて下さいます皆様への感謝を想うと書いてしまいました(汗)御礼の1話にもならない話かと思いますが、お気が向きましたら読んでみて下さい(>_<))
青木さんは、恋をした。
イケメンゲ○、慶太に。
カチ………………………
閉店後の花屋。
最近、俺は夜な夜な人には言えない勉強をしている。
人には言えない……………………。
「ぅわぁ……あ……ぁ……………男同士って、こんなエッチするの…………………!?」
こんな、エッチ。
薄暗い店内で、カウンターだけに明かりを照した俺の、お馬鹿な発言。
パソコン画面に釘付けになった目は、やたらと一部分だけ光る照明がキツくて、チカチカ痛い。
痛いけど、下半身もなんだか痛い……………?
「ヤバッ…………………たっ、起ってきた……………っ」
目の前の画面に映し出されのは、言葉通り、男同士のエッチ画像。
この前店でぶっ倒れて、慶太くんを好きだと気付いた俺は、少しでも慶太くんに近付きたくて、改めてゲ○を学習中。
俺の人には言えない勉強。
そう、それはゲ○勉。(もう自分で略して呼ぶまで根付いている)
その画像があまりにもエロくて、ちょっと慶太くんを想像してしまった。
「イテテテテ……………………ッ!!」
思わずカウンターへ額を付け、下半身を押さえる自分に、呆れて涙が浮かぶ。
いや、単にパンツのファスナーの部分が、押し上げるおチ○チンに当たって、痛いだけかも……………。
「も……………………何やってんだろ、俺」
全くだ。
こんな事する間には、告白しろよ。
告白。
「告白かぁぁぁぁ………………………」
考えただけで、心臓は爆音。
だって、しつこいが慶太くんは、イケメン。
絶対に絶対に、モテる。
それに、慶太くんの言ってくれた『好き』が、どんな好きかもわからないまま…………………。
慶太くんの気持ちをわかりたいのに、相変わらず俺は頼りなくて、ウジウジな歳上。
とてもじゃないけど、自信ない。
「こんばんはーっ…………青木さーん、いますかぁ?」
ドッキーン…………………!!
「嘘ぉ………………っ!け、け、慶太くんっ!」
噂をすれば!!(ただの独り言だが)
みるみる高鳴る鼓動と、熱くなる身体。
慶太くんに会える……………!
嬉しくて嬉しくて、俺はショーケースに映る自分の髪を急いでセットする。
「よぉ、よぉし……………おかしくな………………」
違ぁぁぁう!!
パソコン画面っ!!!
思い切り、エロゲ○画面です。
「わぁっ………………しまっ…………」
「青木さん、入りますよー?今日、仕事上がりにビフカツサンド作ったんです。夜食に食べて下さ……」
ガラガラガシャーン……………!!
「あぁぁーっ!パソコンがぁぁっ!!」
本当に、俺はどこまでドジ野郎。
慌てて振り返り、パソコン画面を消そうとした俺。
画面しか見なかったせいで床のコードに足を引っ掛かけ、よろけた身体は、カウンターに置いたパソコンへ勢いよく右ストレートを食らわした。
俺のパンチ、なかなかだな。
先月買い換えたばかりのパソコンは、見事に近くに飾られた、チューリップの群れへと突っ込んでいった。
可愛い黄色のチューリップが宙を舞い、パソコンはバケツの水を浴びながら、タイルの上で大破。
液晶は割れ、何処かの部品が俺の方まで跳ね返って来た。
「に、二十万が…………………」
自分にしては奮発した。
下品な話だが、さすがにおチ○チンも縮まる。
「青木さんっ!?」
そうして、また慶太くんに心配をかける。
「け……………………慶太くぅ………………ん」
ああ、キャメルのチェスターコート、めちゃめちゃ似合ってる……………………。
無惨に逝ってしまったパソコンの前にヘタり込み、俺は半泣きになりながらも、慶太くんの格好良さに見とれた。
こんな時でも、格好いいと思うなんて………………。
どんどん慶太くんを好きになる自分に、毎回驚く。
「怪我してないです?手、掴んで下さい。起こしますから」
「………………………ごめん、ごめんね」
「何言ってんですか、怪我がないなら良かったじゃないですか」
しかも、俺への夜食を作業台の上へ置いた慶太くんは、いつもと変わらない優しさで手を差し出してくれる。
そんな慶太くんに、またキュン。
ゆっくりと俺の手を包む、慶太くんの温もり。
あったかぃ。
慶太くんの手を握り返し、俺の顔はクラクラ目眩がしそうなほど火照ってた。
「情けないね………………歳上なのに……………」
いい加減、呆れられるよね。
「クス…………………いいえ。手が焼ける方が、俺が世話を出来るからいいですよ」
「え…………………………」
俺は、慶太くんに腕を引っ張られながら、その真意に首を傾げる。
世話を出来るから…………………?
それって、どう言う…………………。
身体を起こした俺の服を、優しく叩いてくれる慶太くんは、ただただ穏やかに笑うだけ。
「ずっと…………………世話させて下さいね。もう、遠慮はしないんで」
「慶太くん……………………」
「この前みたいに、倒れられたらたまんない。無茶苦茶怖かったから、アレ…………………あんな思いする位なら、俺が側にいます」
「側………………………」
と、俺が慶太くんの話を聞き返そうとした瞬間、全身に電気が走る。
ドッキューン…………………!
俺は、突然慶太くんに抱きしめられてしまった。
当然、顔から火が噴き出そうな位、体温は沸点まで上昇。
何が起こったのか、パニックだ。
「け…………………慶…………」
「俺と、付き合って下さい…………………青木さん」
付き合って下さい。
…………………………へ。
へ…………………………っ!!?
「つ、つ、つ………………………」
あまりの衝撃に、言葉が出ない。
自分の身体へ、しっかりと腕を回す慶太くんのたくましさに、唇がカクカクと動くだけ。
「………………………付き合って下さい」
慶太くん…………………っ!!!
ブワッと、一気に何かが溢れ出る。
俺の視界は瞬く間にぼやけ、あまりの感激に心は震えた。
「えっ!!青木さんっ………………すみません!俺、やっぱりマズい事言いま…………」
「違うっ、違うよぉっ……………慶太くんっ!…………しくて……………………嬉しくて、幸せだよ………ぉ」
歳下を前に、号泣。
俺は、どこまでいっても、ダメな歳上。
「…………………………青木さん」
目を細める慶太くんのコートを握りしめ、泣く事しか出来なかった。
「俺も…………………滅茶苦茶幸せです」
「あ……………慶………………っん」
でも慶太くんは、こんな頼りない俺を見つめ、流れる涙を指先で辿ると、目元へソッとキスをしてくれた。
それがまた然り気無くて、俺はメロメロ。
「好きです……………………俺だけの、青木さん」
俺だけの。
『俺だけ』に、なるぅ!!!
迫る慶太くんの綺麗な顔が、俺の心を鷲掴み。
「慶太くん……………………」
俺は吸い込まれるように、その素敵な眼差しへ瞳を向けた。
自然と近付く唇に、ドキドキが急加速。
キス、したい。
慶太くんと、キスした……………。
「いやっ!駄目ぇぇ……………っ!!」
「は………………………」
「俺、さっきお煎餅食べちゃったぁ!!は、歯磨きして来る!歯磨きして来るからっ!」
「お、お煎餅…………………」
忘れてた。
ついお腹が減って、パソコン見ながら頂き物のお煎餅、開けてました。
慶太くんとの記念すべき初キスが、お煎餅味。
ヤダヤダ!!
唖然とする慶太くんを見上げ、俺は歯磨きをしようと身体を離した。
パシッ………………………
れ?
「慶太…………………くん?」
立ち去ろうとした俺の腕を掴む、慶太くんの笑顔。
「お煎餅、好きですよ」
「はい……………………?」
「それより、我慢出来ません」
「け……………………ぅわあ……ぁ………っんん!!」
俺の身体はあっという間に抱き寄せられ、慶太くんの唇に口を塞がれた。
腰に伝わる慶太くんの手の感触と、唇の隙間から入り込む熱いもの。
「はぁっ……………んっ………慶……ふぁ…あ………ん」
力が、抜けちゃう。
戸惑う舌に絡みつく慶太くんの舌が、練っとりと俺を愛撫する。
どうしよう…………………慶太くん、キス上手い。
気持ちいい……………ぃ………。
「大好き、青木さん…………………離したくない」
「ぁあ………………慶太………くん………っ…んぁ………俺も好きぃ……………っ」
男同士でも、全然イケる。
勉強なんて、要らなかったな。
それくらい、慶太くんとのキスは素敵で、最高の記憶を身体に刻んだ。
「ぷ…………………本当に、お煎餅味」
「わ………………もぉ………………だからっ……」
「すみません……………………でも、美味し………」
「あ……………んっ…………慶…………は…ぁん」
美味しい。
その夜、俺達は何度も何度も唇を重ねた。
本当は最後までいきたかったけど、男性経験のない俺を慶太くんが気遣ってくれて、せめてのボディタッチで終わった。
最後。
パソコン画面が、俺の脳を支配する。
目指すは、あそこか…………………。(どんな画像だ)
「よ、よし…………………次こそは、頑張るぞ!」
青木さん、やっぱり何かズレている気がします。
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