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Kiss me again 2-3 R18
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「…ハァっ、はぁ…ァ」
「上手、隼ちゃん」
隼を蔑み、楽しむだけ楽しんで。
淫口から解放してやった隼ちゃんは逆らうことも忘れ、ただ呆然と口を開く。
「なんっ、で…こんな、こと…」
「お前が俺のモンだからに決まってんだろ、お前を犯すのが俺じゃなきゃいけねぇ理由なんてねぇしな。ケツにローターぶち込まれて、俺のチンコしゃぶりながら腰振って善がったのはお前じゃん」
躾の為だと言えたなら、俺以外の男を誘った罰だからと言えたなら……もう少しだけ、楽しいお遊びが出来るけれど。俺に助けを求めてきたやーちゃんのことを考えると、コイツには何も伝えずにいてやる方がいい。
仕事一筋で生きている隼から、その生きがいを奪うことはしたくねぇから。上司という立場の仮面の下に、こんなにも淫らな顔を隠して。
「俺は、飛鳥じゃなきゃッ…飛鳥、好き…俺はっ、お前をッ…ぅ、んっ」
「隼」
俺を求めて、ドン底まで落ちた男になら。
この愚かな感情ごと、その身体に刻み込んでやってもいいと思えるから。
用済みになった玩具を引き抜き、煙草の火を消した俺は、重なった唇から零れ落ちた愛してるの言葉と共に、隼を強く抱き締める。
「飛鳥ぁ…ッ、ぅ」
「隼ちゃん、泣くな……お前俺より歳上だろ、告って泣くとか子供じゃねぇんだから。ヤることまだ終わってねぇぞ、どーすんだ?」
ムードも何もあったもんじゃないけれど、ようやく懐いた野良猫が可愛くて仕方ねぇから。このよく分からない感情に名を付けるとするならば、それは幸せっていう尊いものなんだろうと思った。
愛がないセックスはもういらない。
いつだったか弟が洩らした言葉の意味に酷く納得し、苦笑いしながらも隼の両手を縛り上げていたネクタイを解いてやる。
「っと、分かった……分かってっから、その代わりくたばんじゃねぇぞ、隼ちゃん」
自由になった両腕は、一目散に俺の元へと飛んできて。全体重を俺に預けてきた隼を抱き竦め、幼い頃の記憶を呼び起こしつつ俺は隼の背中を撫でてみる。
俺の記憶にはあって、弟の記憶にはないもの。
やーちゃんがまだ3つの時、アイツが1度だけ大泣きしたことがあった。その理由はもう覚えていないけれど、あの時のやーちゃんは今の隼と同じように俺に縋って泣いていたから。
「何処にも行かねぇから安心しろ、俺はちゃんと此処にいっから……隼、俺もお前が好きだ」
あの日、弟に告げた言葉とこの男だけに贈る特別な想いを込めて。偽りのない優しさは、とても不器用な愛へと変化を遂げていく。
初めて、かけがえのない大切なモノを見つけた。
この歳になって、相手が男じゃもうどうにもなんねぇけど。それでも、お互い望むものが得られるのなら充分なんだろうと思う。
支え合うわけではなく、他人には見せるのことの出来ない互いの汚れと弱さを感じて。近づいては離れてを繰り返し、その存在を認め合うことさえ出来れば、俺はそれ以上を望むことはない。
もう恋なんてしないと決めているのなら、心底愛し合えばいいだけの話だから。
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