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extraordinary 2
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気をそそられた。
それは良い意味で……ではない。
あの男、関わってはいけないタイプだ。
兄貴と同類、もしくはそれ以上。あの雰囲気を醸し出せるヤツなんて、そうそういねぇーと思ってたけど。
優の言った通り、俺達の隣の席に案内された3人の男達はそれぞれ席に着く。俺と同じ奥のソファー席に座り長い足を組んだ男と、俺は一瞬目が合った。
柔らかそうなクセのある黒髪、目尻にある泣きぼくろ。綺麗な女顔のわりに、女性らしさは感じない。光とは違う妖艶さ……大人の男とでも言うべきだろうか。
交わった視線に思わず息をのんだ俺。
思った通りのヤバイヤツ。
それが、この男に抱いた最初の印象だった。
気になりつつも、これ以上視線が交わる事のないよう煙草の煙を見つめた俺と、隣の男達をガン見する光…そんな光を何食わぬ顔して見つめているのが優。
ある程度の間はそれで良かったんだ。
隣の席の騒がしい男が俺に声を掛けてくる前までは。
「そういやさ、この間星が……」
「あーもうっ!気になってしょうがないっ!貴方、あーちゃんの弟君よね?絶対そうよね?!」
いきなりそう俺に声を掛けてきた騒がしい男。
ふんわりとした柔らかそうな見た目とは裏腹に、よく喋るヤツだと思った。
「あの、あーちゃんって?」
「あーちゃんよ、あーちゃん!」
だからそれは誰かっつーのが聞てぇーんだよ。
「桃、それじゃ説明になってない。君、白石飛鳥の弟さんじゃないか?」
桃と呼ばれた男の隣にいた人物が、俺に問いただす。
「ええ、そうですけど」
あーちゃん……飛鳥の事だったのか。
それにしてもあのクソ兄貴の事を、親しげに呼んでいるヤツだ。
「やっぱりあたしの思った通り!」
アタシ……色々とツッコミたくなる気持ちを抑えて。
お外用のいい子な俺でふわりと微笑む男に問う。
「あの、兄とはどの様なご関係で?」
「高校の同級生よ、お店に来た時から気になってたの。貴方やっぱりあーちゃんの弟君だったのね!本当にあーちゃんそっくり!」
確かに俺は長男の飛鳥とよく似ている。
同じ色の瞳に同じ色の髪、顔の造りもそれほど変わらない。あのクソ兄貴と同級生のこの男が、俺に声を掛けてきたのも肯ける。
「お連れの方も、兄の事をご存知なんですか?」
「そうよ、3人共あーちゃんと同じ高校」
「俺達みたいだね、優」
「そんな可愛いらしいものじゃないと思うぞ、俺達はまだ学生だしな」
「あら、弟君のお友達2人共イケメンっ!しかも貴方の金髪良く似合ってるわ」
「ありがとうございます」
キラッキラの王子様スマイルで笑った光。
これで話が終わってくれればいい……そう思った俺の願いがこの男達に届く事はなかった。
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