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佐上 再会 (Y side)
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宴会場に案内してもらって、獅童さんが襖を開けた。
「久しぶり、理央兄さん」
「来てないわけがなかったか…久しぶり、理乃」
開けて一番に獅童さんに声をかけたのはド派手なピンク色の髪をした中性的な男。
中性的でも男と分かったのは、顔見知りだったから。
「リノ…?なんでここに?」
「あれー、覚えててくれたんだ!久しぶり雪くん」
「質問に答えろよ」
「言ってなかったっけ?獅童理央の弟、獅童理乃(リノ)です。改めてよろしくね?」
こいつは俺がデビューしたての時に同じ読者モデルだったリノ。
派手な髪色に可愛らしい顔、中性的な体つき、適度なあざとさで今も大人気のモデルだ。
新人の時以来会ってはいなかったし、同業者ぐらいにしか思ってなかった。
それが獅童さんの弟だなんて……気付くわけがない。
「黙っててごめんね?」
隣で少し申し訳なさそうに謝る獅童さんに、大丈夫ですと告げる。
「別に謝ることでもないでしょ?ほら、一緒にご飯食べよ?」
「わかったから…ほら、雪くんも」
獅童さんを俺とリノで挟む形で座る。
長机の先には怖い顔のおじさんがいた。
獅童さんのお父さんだろうか……。
「お前が雪って奴か」
「はい。いつも、理央さんにはお世話になってます」
「俺が怖いか?」
「え、」
「顔がひきつってる」
「す、すいません」
慌てて顔を触る。
「ははっ。嘘だよ」
「へ?」
「俺の顔は怖いが、君は良い顔をしてた」
「ありがとうございます?」
「俺の名前は洋一(ヒロカズ)。今日は飲むぞ!」
ははは、と笑いだした洋一さんはジョッキを高く上げて一足先に飲みだした。
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