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ホントとウソ (Y side)
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いつからだっけ、獅童さんが俺の担当についたのは。
「おはよう、佐上くん」
「はよ……ねっむ」
最初の印象は、なんか、腹黒そう。
優しい穏やかな雰囲気だけど、いつも目は笑ってないし。
なんていうか、人に弱味とか見せないタイプの人。
心の扉はすごく頑丈で、俺はその扉を開けたかった。
「今日の仕事は午前中で終わりだね。頑張って」
「ウーッス……」
俺についたイメージはドSな俺様。
なんつーか…ドラマの影響でかすぎ。
なんとなく、口調もそうするべきなのだろうかと考え意識して変えていたが、もう慣れた。
人より少し、出来るだけ。
それもすべてではないし、努力あってこそだ。
それをすべて「才能」で片付けられるのには、少し腹が立つ。
「獅童」
反応はない。
よくあることだ、獅童さんが色々と考えるとき、癖なのだろう、自分の唇を中指でなぞっている。
……その癖を何度もやめろと咎めてはいる。
「獅童!」
やっとこちらに気づいた。
「…! ごめん、考え事してた…なに?佐上くん」
「午後、あいてんの」
「え?…… うん、あいてるけど」
「……今日は俺んち来んの」
「あー……じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔させてもらおうかな」
獅童さんの目が濁る。
俺はこの目が何よりも好きだ。
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