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ホントとウソ (Y side)
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獅童さんとは友達以上恋人未満。
キスはしてるけどそれ以上はナシ。
俺が止めてる。
そりゃあシたいし、多分俺が求めればどこまでも獅童さんは付き合うだろう。
でもそれは愛でも恋でもなく、仕事。
俺の"マネージャー"だから、それも仕事扱いになるだろう。
もし俺に恋をして、愛してくれるなら、その時はどろどろに抱き潰すつもりだけど。
…今のところ恋はしてくれてんのかな。
気づいてないんだろうか。
部屋に呼ぶ度、瞳が濁る。
俺を信じきれていないからだ。
「ただいまぁ~」
とりあえずそう言うけど家には誰もいない。
妹は…彼氏の家か。
「泊まってくる☆」
じゃねぇよ。
冷蔵庫に貼り付けられた小さいホワイトボードを睨む。
「お邪魔します…」
誰もいないと分かっているのだろう、小さい声で獅童さんは挨拶した。
「とりあえず適当に座っといて」
「わかった」
何度も来ている獅童さんは、いつもと同じソファの上に座った。
「はい、お茶しかないけど、スーツの上、掛けとくから貸して」
「あ、ありがとう」
小さな声でいただきます、と言ってお茶を啜る。
無駄なところで礼儀がいいな、といつも思う。
「今日、泊まるの」
「え」
「明日、休みでしょ」
忘れていたのか、手帳をパラパラとめくり、
ほんとだ、と呟く。
「でも、今日は服とか持ってきてないからさ」
はは、とまた愛想笑い。
逃げたいんだろうか、と少し傷つく。
何度も泊まっているのに、どうして。
「服くらい俺の着れば良いじゃん」
「佐上くんに迷惑じゃ…疲れてるでしょ?」
確かに疲れている。
香水臭い女優にべたべた触られての仕事。
雑誌の撮影なのだからそんなにくっつくこともないだろう、と何度も思った。
だが、獅童さんに泊まってってもらえれば疲れなんて吹き飛ぶ。
「別に疲れてないけど」
…素直に言えたらどんなに良いか。
「じゃあ、泊まっていくよ、ごめんね」
なんで謝るんだろうか。
俺は嬉しいだけなのに。
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