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ホントとウソ (R side)
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気持ちを落ち着かせて佐上の元へ戻る。
「付け方これで大丈夫だよね?変じゃない??」
「……似合ってんじゃない」
褒めてくれたのだろうか、少し照れくさい。
つけてわかったが俺の髪の毛によく映える。
やはり佐上のセンスに間違いはなかったみたいだ。
「佐上くん、鏡見ないでもつけれるんだね、すごい、似合ってる」
心から思った言葉を述べたのだが
「どーも」
顔を背けられてしまった。
好意を向けてくるわりには素直に話したりはしてくれない。
やはりキャラを演じ一定の距離を保たれてる気がする。
からかわれているんじゃないか、なんていまだに不安になる。
自信はない。
若いということは選択肢がいくらでもあるということ。
これからの彼の未来を、俺が縛っても良いのだろうか。
「さ、お酒の続きー!」
酔いが完全に覚めてしまった。
飲みなおそう。
酔って酔って、気を紛らわそう。
と意気込みすぎたのか、すぐに出来上がってしまった。
一方で赤くもならずにちびちびと飲む佐上。
「全然飲んでねぇじゃんかよもっと飲めよ~!」
「……ハイ」
敬語を使われて久しぶりに自分が年上だったと思い出す。
もう疲れた。
眠くなってきた。
もう考えるのはやめよう。
俺は目を閉じた。
「………Zzz…」
俺は夢を見た。
佐上に彼女ができて、結婚式に呼ばれる夢。
二人はとても幸せそうで、俺も心から祝福した。
なのに、心が痛い。
黒いなにかが沸き上がってくる。
先ニ、俺ガ、先ナノニ。
夢はここで終わった。
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