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獅童 転 (R side)
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「ごちそーさま」
冬ちゃんは早々に食べ終えて、俺にありがと、と言って二階に上がっていった。
「……佐上くん、昨日はごめん」
「別に、いつもだろ」
怒ってるのか、いつも通りなのか。
「ごちそーさん」
「ごちそうさまでした」
なんとなく無言が続く。
お詫び…なにか、俺ができること……。
「佐上くん、あのさ」
「なに」
「行きたいところがあるんだ、一緒に来てくれる?」
「……いいけど」
俺から何かに誘ったのは初めてだったか。
素直に返事をしてくれた佐上に感謝だ。
「で、なにすんの」
内心どきどきで準備をし、車の助手席に佐上を乗せ、ついたのは少し大きめのショッピングモール。
服、お菓子、映画、飯、ゲーセン。
大抵のものがここにある。
「佐上くん」
「ん」
「今日は俺が奢る番、なんでも買う、なんでもする、なんでも言って」
考えた結果、俺ができるのはこれくらい。
「なにいきなり、昨日のことで反省しなくてもいいけど」
「違う、そうじゃなくて、佐上くん、遊びたいかなと思って」
昨日の事は勿論だが、いつも遊ばないで仕事ばかりでは疲れるんじゃないか、そう思ってここを選んだのだ。
「遊びたい?」
「そう、今日は一日中休みだし、絶好の遊び日和!」
真面目だったのだが、笑われてしまった。
つまりは、ストレス発散。
「……わかった」
「え?」
「好き勝手遊べばいいんだろ、なにも気にしないで」
素直に返事をしてくれるとは思っていなかったので、うまくいった、と思った。
「うん!そう!なにも気にしないで!俺が全部おごっt
「それは却下、俺の金で遊ぶ」
え、
「いや、それじゃ意味ないし、」
「そのかわり!」
急に声を大きくするから少し驚いた。
「う、うん」
「獅童も遊ぶ、俺と一緒に」
「はぁ!?」
あ、素が。
俺のストレス発散じゃないか、それでは。
年上として、マネージャーとして、俺が奢らなきゃ意味はないのだ。
「い、いや、でも、やっぱり俺が」
「獅童が奢るなら帰る」
「へ…………わかった…」
俺の負け。
こう言われてしまったらどうしようもない。
さて、どうしたものか…。
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