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獅童 転 (R side)
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まぁピンチは逃れた。
けど、それはそれで見たかったかも…。
少し残念だった。
「上映時間もうすぐだと思いますよ、それ」
夏希くんが指を指したのはアクション映画のチケット。
「ありがと、この恩はいつか返すわ」
「いえいえ、そんなに気にすることでは」
「良いんだよ夏希、コイツ無駄に金持ってるから」
「だからコイツって…」
仲直りはした…のかな。
どんな人なのかな、なんて気になってたりしたけど案外良い子だ。
「じゃ、じゃあ行ってくるね!ありがとう冬ちゃん、夏希くん」
「いってらっしゃーい!」
大きな声で手を振る冬ちゃんと微笑んでおとなしく手を振る夏希くん。
正反対のカップルだけど、端から見ても仲良しだ。
生意気とかムカつくとか言ったって大事な妹さんだ。
顔が優しく緩んだ佐上を見るとそう思う。
「このアクション映画も面白そうだよね!」
なんだかんだでこの映画も面白そうだと気になってはいた。
後ろを振り返ると微笑む佐上の顔。
俺は優しいこの顔が好きだ。
これも佐上の魅力、なんだと思う。
佐上は俺の事を好きだと言うけど、こんなおじさんのどこが良いんだろう。
考えてもわからない。
佐上は女の子なんか選り取り見取りだ。
なぜ、俺を好きになったのか、聞ける日は来るのだろうか。
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