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獅童 転 (R side)
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「いやぁ~面白かったね~」
大当りだった。
流石ヒット作。
「やっぱり映画は好きだなぁ」
「良かったな」
「うん!」
俺の好みドストライク。
佐上の映画を見れなかったのは少し残念だが、これもこれで楽しい。
今日は良い日かもな。
「さて、次どこいく?」
「んー……行きたいところねぇの」
「特には…佐上くんの行きたいところは?」
色んな店をまわり、文房具やらなんやらと買って貰ってしまった。
時間はすでに八時過ぎ。
荷物を一旦車に置き、戻ってきたものの特にすることも見つからず。
「夕食……でいい?」
「…おう」
俺がこの選択肢を出さなかったのは、少し寂しいからかもしれない。
家には誰もいないし、とても静かだから。
離れるのが嫌だ、なんて子供みたいだ。
迷惑極まりないだろう。
暗い気持ちを吹き飛ばそうと色んな店を見ていたら美味しいものだらけ。
気持ちが少し、軽くなった気がする。
「気持ち悪……」
「ほんとに大丈夫?」
気持ち悪い、と突然言い出したからとりあえずテラスに。
星は綺麗に見えるし、風も当たるし、中々良い場所だ。
「ふぅ……何とか、収まった…」
「良かった、ハイ、これ」
確かに、いつもより沢山食べていたな。
渡したのは少し甘めのミルクティー。
甘いのが好きなのは佐上くんも一緒。
自分で買いにいくのは嫌だ、と昔からいやがるからずっと俺が買いに行ってる。
「獅童」
空の星を眺めていると、名前を呼ばれる。
何か買ってこようか、と言うつもりだった。
「何、佐上く……んっ、ふぁ」
「……ごめん」
いきなりのキス。
久しぶりのキス…。
忘れかけてた、佐上の気持ち。
ごめん、って何。
何で謝るの。
俺の事で後悔してるの。
嫌になったの。
……もうからかわないでよ。
軽くなったはずの気持ちは、また重くなった。
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