アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
西条 考 (H side)
-
ふと、獅童のとなりを見ると携帯に着信。
画面に表示された名前は、「雪」。
携帯を取る。
「もしもし?獅童?もう九時だけど、まだ…」
「西条ですけどー」
「はぁ!?なんで西条が獅童の電話…」
「オヒメサマが泣いてますよオウジサマ、はやく迎えに来てあげたら?」
「泣いてるって…どこにいんだよ!」
「俺の家ー」
伝える度に慌てる佐上に笑いそうになる。
「住所はメッセージで送るわ、なんでもいいからとっとと来いよ」
「言われなくても行くわ!」
何しやがったゲス野郎、とかなんとかぶつぶつ言いながらも移動しはじめたようだ。
「オヒメサマから伝言」
「あ?」
「「愛してます」だとさ、じゃーな」
「は?…は!?ちょ、ま」
返事を聞かずにぶっち切る。
獅童は俺を見て「何言ってくれちゃってんの?」状態。
「恋のキューピッド様だよ?」
「嬉しくない、余計なお世話」
冷たいな、と呟いて座りなおす。
「西条」
「なにー?」
「お前良い奴なの?」
「当たり前じゃん」
呼び捨てにお前呼び、中々慣れてきたね。
「ありがとう」
鼻をすすりながらお礼を言う獅童。
「どーいたしまして」
窓のカーテンを開け、外を眺める。
「星が綺麗だよ、絶好の告白日和じゃん」
「何それキザっぽい」
「ロマンチストって言えよ」
獅童とは今日から友達になれそうだ。
「何にやにやしてんの、気持ち悪」
……多分。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 86