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佐上 想 (Y side)
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やっとついた……。
佐上の家はデカイ一軒家。
………金持ちか?腹立つ。
いや、別に、俺んちだって一軒家だし…。
とか考えている場合ではなく。
玄関の前に立ち、チャイムを押す。
「はぁーい?」
「西条か?さじっ!…」
言い切る前に玄関が開かれ、前のめりでしゃべっていた俺の額にドアがぶつかる。
「ってぇ……」
「ごめんごめん」
ウケるわ、と言ってバカにするように笑っているのは西条。
「家にいれろ!」
「何それ、人にもの頼む態度じゃないじゃん」
「……イエニイレテクダサイ」
「別に良いけど、どーぞー」
わざわざかしこまって言ったのにも関わらず、なんも気にせずいれんのかよ、紛らわしい。ムカつく。
「獅童!」
「佐上くん」
スーツのまま、目元が少し赤くなっている。
泣いてたのは、嘘じゃないらしい。
「なんで泣いてたんだよ」
「や…それは、その」
「俺がキスしようとしたら突っぱねて泣いたの」
言いにくそうに目線を泳がせる獅童さん、とその横でにやにやしながら爆弾発言をかます西条。
「てめぇ何しようとしてくれちゃってんだよ…?」
「いつまでももたもたしてるからだろ、佐上が」
お前に関係ないだろ、と怒鳴ろうとしたのだが。
「佐上くん、ステイ」
……俺は犬かよ。
「……西条くんは決して悪い人ではない、と思う」
「何言って…」
「西条くんのおかげで気持ちの整理もついたし、決心もした」
なんか、西条と獅童さんの間に……なんか、なにかを感じる……少し、嫉妬。
「まーいいや、のろけるのは家でやってよ」
西条から帰れやオーラが醸し出されている。
お前が獅童さんを拉致したくせに。
あ、ひとつ、聞きたいことを忘れてた。
「…西条、獅童の事好きになったとかほざくなよ」
「はぁ?確かに理央ちゃんは可愛い分類だろうけど、俺彼氏いるし」
「はぁ!?」
驚いたのは俺だけ。
「獅童は知ってたのかよ……」
「さっき聞いたんだ」
「彼氏いんのに人のマネージャーさらったのかよ?」
「まぁ、半分はソイツからの指令、みたいなところあるしな」
「指令?」
「「二人を別れさせろ」ってさ、まぁ、指令に逆らったんだけどね、人の恋破局させるとか本物のゲスじゃん」
別れさせろ、ってことは俺らの関係を知ってる奴。
残念なことに、付き合ってはいないのだが。
「誰だよソイツ……」
「理央ちゃんがよく知ってる人」
「獅童、しってんの?」
「……多分…だけどね」
俺が知らない奴、なのか?
どうであれ、仲良くはなれないだろう。
出会ったら即殴りそうだ。
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