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獅童 想 (R side)
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「獅童、起きろー」
「ん~…」
ここは…車?
どうして……あぁ、佐上に送ってもらって…。
寝たふりだったはずが、本当に寝てしまっていたようだ。
「家、着いたぞ」
「ありがとう……」
寝起きで、頭が働かない。
とりあえず家まで送ってきてくれたようで、ありがたい。
「また明日…」
半分起きて半分寝てる。
そんな頭のままふらふらと車を降り、家へ向かう。
「獅童」
「んー?」
後ろから呼び掛けられてなにかとふり返るとどんどんこちらに近づいてくる佐上に思わず後退りする。
「獅童、好きだ」
「うん…へ?」
思わず変な声が出る。
好き、すき、スキ?
なんでまた、いきなり。
「いきなりでごめん、うまく言えなくてごめん、不安にさせてごめん……」
そう言って佐上はボロボロと泣き出した。
こっちはなにがなんだかわからない。
でも、気持ちを改めて伝えようとか、多分佐上なりに色々と考えてたんだ。
俺が逃げ続けたから、変な勘違いをしたから。
相変わらず泣いている佐上をみれば、胸がぎゅう、と締めつけられる。
でもこれは、悲しくて苦しい痛みじゃなくて、嬉しくて幸せな痛み。
佐上は俺を愛してくれてる。
どうしようもなく愛しくなって、その気持ちを伝えたくて。
うまく言葉にできそうにないから行動で表そう、と佐上を抱きしめた。
佐上は驚いて泣き止んだけど、今度はこっちが泣きそうだ。
少しカッコ悪い告白だったけど、嬉しかったよ。
佐上の耳元でそう呟いて、初めて俺からキスをした。
これ以上の幸せはこの先ないんだろうな、と思った。
これから先も佐上と一緒にいれればと願って、幸せを噛み締めた。
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