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情報と焦燥 SIDE Right
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五十嵐さんから連絡がきたのは、あの日から一週間経ってからだった。
五十嵐さんの店にいくと、五十嵐さんと将兵と真壁、それに真壁の彼氏である富田、それにいかつい見たこともない男がいた。
「こんばんは」
「こんばんはっす。マジで峰さん、スーツかよ」
富田は剣呑な目をしながら、俺をはかるような表情を浮かべて声をかけてくる。
こいつにこんな目を向けられても仕方ない。
以前、こいつを拉致して、俺とハルカは真壁を脅したことがある。恨んでいて当然だ。
「一応社会人なんで」
「シロウを止めてもきかねーから、手ぇ貸したくねーけど貸してやる」
俺は許していないという表情が胸に刺さる。
「悪い、ありがとう」
素直に礼を言うと富田は意外そうに俺をみた。
ハルカを取り戻すのに、体面なんかどうでもいい。
「峰、紹介する。東高の先輩で工藤さんだ」
「こんばんはっす」
見た感じから、メチャメチャヤクザなんですが。
ヤクザなんだよな。きっと。
「工藤だ。久住組の構成員だ。今は謹慎中だがな」
静かだか圧倒的な威圧感がある。
ヤバイ雰囲気がいっぱいだ。
五十嵐さんの話だと、それらしい人物を見たと言っていたらしい。
「小倉遥佳っていう名前ではないが、多分偽名を名乗ってるんだろうな、ミネハルカって名前のヤツなら監禁されてる」
なんだ、その偽名。
よりにもよって、そんな偽名とか。
それだけで、俺へのメッセージなんじゃないかとか考えちまうくらいオメデタイのは分かっている。
分かっているけど。
「実家にふっかかるのが怖くて偽名とかよくあるからな。確かに、松川が消された事件の時の末端とか言ってたし」
「で、いまは、どこに?」
嫌な予感しかしなくて俺は震える声で工藤さんへ尋ねた。
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