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僕らはガタがきたロボットみたいにぎこちない動きと会話で寝るための準備をした。
僕の部屋には客用の布団はない。
ただ、ソファベッドがセミダブルで、掛け布団はダブルサイズだったから、大丈夫かと思っていたが、よくよく考えれば、これってまずい状況ではなかろうか。
コジマさんがシャワーを浴びている時に、ふとそんな事を思った。
でも、男が男に欲情する構図が僕にはよくわからない。
いや、でもでも、突然キスされた訳だし…
やっぱり、なんとか別々で寝る方法を考えた方が良いだろうか?
そう迷っている内に、コジマさんが「おさきに〜」とシャワーを上がって出てきた。
「あ、あの…布団、一つしかない…」
相変わらずぎこちない笑顔を向けながらそう言うと、コジマさんはブハっと吹き出した。
その笑顔がいつもと同じで少しホッとする。
シャワーと一緒に何かを洗い落としたと言ったところだろうか?
「いやいやいや、襲わないから!」
「あ…そうじゃなくて…」
—いや、そうだけど…
「あの…僕、風邪ひいてるし、うつすかも…なんて…」
言い訳がましいのはバレバレだ。
そんな僕にコジマさんは嫌な顔一つしなかった。
「いや、ひー君が嫌なら俺、今からでも帰るけど…俺、原付だから。」
苦笑しながら、玄関の方を指し示した。
「あ、じゃあ、風呂上りで…悪いけど、それで…」
「うん。じゃあ、ココアと風呂ご馳走さん。」
そう言うと、コジマさんは、傍にあった、ボディバッグを掴んだ。
「って、おい。」
「は?」
わかってんのか、ニヤけ顏で振り向いてくる。
「重ねボケやめろ。なんか、さっきから、微妙な空気だったから、俺が無理矢理でボケたのに…」
言い終わる前に、コジマさんはいつもみたいに、ブハっと吹き出した。
「いやいや、ツッコミはひー君の専門でしょ?」
「つーか、ひー君言うな。」
「じゃあ、ヒサシって呼んでいい?」
「断る!」
すっかりいつも通りの雰囲気に戻って、ホッとした。
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