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全く訳がわからない中、姿勢を正しつつ首を傾げる。
すると、コジマさんが、跳ね起きて、膝歩きで間合いを詰めてきた。
そのまま、また抱き締められるかと思ったが、眼前まできて急に静止する。
アメリカンコミックのベタなワンシーンみたいに、両手を広げた状態で固まるコジマさんと、その影で及び腰になってる僕。
なに?この図…
「えっ!?何?付き合ったから、ちゃんと本番ヤラせてって事!?」
混乱に、とてつもない事を口にしてしまった。
「そうじゃなくて…」
コジマさんがふにゃっとその場に崩れ落ちる。
「え?じゃあ、何?」
僕の頭の中はハテナで一杯だった。
一方、コジマさんはしかめっ面で、ガシガシと頭を掻く。
「あー…もう、マジで全然ダメだ…」
「えっ?えっ?なにが?付き合わないの?」
「いや、付き合えねぇの!」
「えっ!?男同士だから?」
「おい、どの口が言ってんだ!?」
あまりにテンパると、僕がボケになる事が、この時判明した。
「そうじゃなくて…」と、呆れた様に呟いてから「まあ、仕方ないか…」と、諦めた様にうな垂れる。
まだ、なんの事か、僕にはサッパリわからなかった。
「じゃあ、一つずつ説明していくわ。」
今度は膝がくっつく位置で正座をしながら、コジマさんは続けた。
「まず、前置きから。本当に、説教って訳じゃないんだけど、昼間の続きっちゃー続きだな。それを皆まで言うのも憚られると言うか…」
「どうせ、僕は言ってもらわないとわからない、自己陶酔ヤローですよ。」
「さらに、面倒なのは、指摘したらそうやってすぐ拗ねるだろ?」
「じゃあ、付き合わないってこと?」
「んでもって、また決め付ける。」
「もう、なんだよ!」
さすがにイライラして来た。
「あ?痛くしないと、話も聞けないか?」
そう、凄んで来たけど、今回はあまり怖くなかった。
決して痛くするに興奮したわけでは無い。
飽くまで、コジマさんの目が優しかったからだ。
一応、怯えた目を作って向けてみると、コジマさんは、態とらしくシュンと肩を落とす。
「ま、俺も今は嫌な言い方したな…ごめん。」
「いや…僕の方こそ…言われた事、全然解ってなくてごめん。」
お互い、反省する素ぶりを見せながらも、合わせた目は笑っていた。
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