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いつもの時間に、いつもの交差点に僕はいた。
考えてみると、一昨日もこうして、ここに立ち尽くしていた。
全部、一昨日の出来事だなんて嘘みたいだ。
ふと、顔を上げるとコンビニの光が眩しいくらいに、辺りを照らしていた。
当たり前なのだけど、中に店員の姿も見える。
あの背格好はコジマさんだろう。
まあ、居るのは当たり前なのだけど、その姿を見た瞬間、胸がドクンと鳴った。
コジマさんの言葉通り、手に負えない事があると、また「そんな好きじゃない」とか、言って逃げてたんだな…と言う事を痛感させられる。
突然、僕の右尻にブルルと振動が走った。
夢から引きづり出された気分で、その場所を触ってから、それが、やっとスマホのバイブである事に気づく。
取り出して見ると、メッセージが届いていた。
なにしてんの?
早く入っておいで。
コジマさんからだ。
反射的にコンビニの方を見ると、コジマさんが手を振っているのが見えた。
勤務中に携帯使うなよとか、一昨年みたいに迎えに来いよとか、もっと早く連絡しろよとか、他になんか無いのかよとか…
色々ツッコミが湧いて来て、思わず泣きそうになった。
調度、歩行者信号が点滅していたので、走って渡り切る。
途中、もう一度、スマホが振動したが、見る余裕はなかった。
歩調を緩めずに、殆ど駆け込む状態でコンビニに入ると。
開口一番、
「見て」
と、コジマさんが、ニヤけ顔で僕の手元を指す。
素直に握ったスマホを見ると、
ごめんね。
大好き。
と、届いていた。
「口で言え!バカ!!」
思わず、目の前まで来ていたコジマさんの胸を叩いた。
コジマさんは「あはは。」と嬉しそうに笑っう。
「口で言ったら、そのまま抱きしめてチューしたくなるから、後にとっておく。」
「〜〜っっ……つーか、店内で携帯いじっていいのかよ?」
紅くなる顔を誤魔化すように、僕は話題を変えた。
コジマさんが「あっ」と、言ってから、再びいつものニヤけ顔を向けて来る。
「実はさ、この防犯カメラ、録画してないんだよね。だから、ぎゅーしても、チューしても大丈夫だった!」
なんて、近づいて来るから、
「やめろ!やめろ!」
と、手で払ってやった。
なんだよ…元通りじゃん。
また、悩んでいたのが馬鹿らしいと、腹も立ったし、落ち込んだけど、何よりも安心感が強かった。
「待ってる?先帰る?」
と当たり前のようにコジマさんが聞いて来る。
「ん。待ってる…」
と、僕は頷いた。
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