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コジマさんのあの真顔も笑顔も、すっごく見覚えのあるものなのに、怒ってないよ。の一言を信じた僕がアホでした。
むしろ、それを自分の都合がいいように変換していたなんて、すごく呑気な奴です。
念願の初合体!
そんな雰囲気なんかじゃなかったのに…
「お、ヒサシは良い子で寝てるかな?」
コジマさんが声を弾ませて戻って来た。
アホの子の僕は、わくわくしながら、目を閉じて、寝たふりをして待つ。
ソファベッドが沈み安っぽい音を立てた。
僕の上に、微かな温度が覆い被さって来たのを感じた。
それでも、目を開けるのを堪えていると、唇に柔らかな感触が落ちて来る。
掠める程度の接触だったが「ふぁ…」と甘い声が漏れた。
スウェットの裾に手がかかり、指先が脇腹に触れただけで、ピクっと体を反応させる。
顔が見たいと思って、薄く目を開くと
「ダメダメ…寝てて。」
と、珍しく上気した声が返って来た。
言われた通り、再び目を閉じる。
僕の息は既に上がっていて、下半身も熱を帯び始めていた。
スウェットの捲り上げられる速度に合わせて、両手を頭の上へと上げて行く。
袖から腕が抜けて、上半身が露わになった処で、どうしても抱きつきたい衝動が抑えきれず、腕を前へと伸ばして行った。
しかし、その手は、コジマさんの身体に届く前に、阻まれる。
まるで、猛禽類の狩の如く素早い動作で、僕の両手首はひとまとめにつかまれ、そこを支点に、体がソファベッドの上に押し付けられる。
夢から覚めるとは、この事だろう。
先程まで漂っていた、甘い雰囲気が一変した。
反射的に開いていた目で、前を見ると、不適を通り越して、凄惨な笑みを浮かべるコジマさんの顔が飛び込んで来た。
「ごめんね。アホの子ひー君。
俺、ヒサシの事、愛し過ぎてて、たまに限界越えちゃうみたい。」
殺される!
そう思うと、ゾクゾクした。
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