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もちろんそのまま後ろに倒れこむ程の広さもないから、痛い思いをする事は無かった。
咄嗟に閉じた目を開けようとした瞬間。
僕の唇に柔らかな物が重なった。
ハッと目を見開いた時には、その感触は既に遠のいていた。
事故…?不可抗力…?
そう混乱した頭に言い聞かせてはみたが、あのふんわりと重なる感じはどう考えても、当たってしまったと言う物ではない。
霞む視界が次第にクリアになって行き、目の前には奴のどアップがあった。
誤魔化すみたいに僕のおでこに自分のおでこを充てて
「本当だ…こりゃ熱あるな…顔赤いのは寒い所から暖かい所に…」
なんて、独り言の様に言っている。
「てめ。今、なにした?」
恐らくキスされた事より、奴のとぼけた態度に無性に腹が立った。
「は?」
と、いまだに至近距離でとぼける奴を僕は上目で睨みつける。
「今、なにした?」
僕にとっては、精一杯ドスを効かせた声でもう一度同じ事を言ってみた。
てっきり、気まずそうな顔をして離れるかと思っていた僕の考えを裏切って、奴はいつもの様にニヤっと笑う。
「なにって…
こうした。」
言うが早いか、奴は再び僕に口付けた。
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