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このままコンビニで過ごす訳にもいかず、僕らは僕の部屋へ移動する事にした。
このまま別れるのも、なんだか気持ち悪くて、僕の方から提案したのだ。
それにコジマさんに聞いて欲しい事があった。
大の男が二人ともメソメソと泣き、目を腫らしながら並んで歩くなんて、奇妙な光景だろう。
辺りが暗くて良かった。
付け加えて深夜に人通りのない場所で良かった。
道中で今更ながら連絡先の交換をした。
そして、これも今更だけど、コジマさんの名前もちゃんと聞いた。
小嶋勇(コジマ イサム)と言うらしい。
意外と真面目そうな名前だと笑うと、俺はいつでも真面目だと少し膨れていた。
部屋に到着すると、コジマさんはどこか落ち着かない感じだった。
7畳のワンルームの決して広く無い部屋にコジマさんを招き入れ、折りたたみテーブルの前に座る様促すと、素直にちょこんと腰を降ろした。
「へぇー。結構綺麗にしてるんだね。」
普段のコジマさんならば、そんな軽口を叩きそうなものだが、今日はまさに借りて来た猫だった。
それが、少し可笑しかった。
もう遅い時間なので、コーヒーじゃなくココアを淹れて、僕もコジマさんの前に腰を降ろす。
向き合って座りながらも、お互いの顔を見る事は中々出来なかった。
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