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雪の降る季節 01
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体育祭も終わり。
のぐっちゃんに仕事を放り出したことをめちゃくちゃ怒られて、仕事を追加されたけど。
今ではすごくいい思い出。
それから、修学旅行など、大きな行事も終わり。
どんどん時間が過ぎていく。
そして…
「みなさん、今日で二学期は終わり、明日からは冬休み。冬休みではいろんなイベントがあって、楽しみにしている人もたくさんいると思いますが、勉強と部活、そして体には気をつけて、元気に楽しく冬休みを過ごしてください。」
今日で二学期も終わり。
いよいよ明日から冬休み。
そして、今日は二学期の終業式でもあるが、クリスマスイブでもある。
そんな今日は、明日のクリスマスで浮かれている生徒や、今日がイブということでソワソワしている生徒もたくさんいる。
そして、俺もその中の1人だ。
「夕貴、さっきからキョロキョロしてみっともないぞ。」
孝太にバシッと背中を叩かれて。
思わず背筋をピンッと伸ばした。
「ご、ごめん…」
「相変わらず、生徒会の仕事とか、会長の話は完璧だったけどな、ちょっとは落ち着いたらどうだ?落ち着かない気持ちもわかるけどさ。」
「そうなんだけど…」
落ち着けるはずがない。
だって、今日と明日は篠原と初めて過ごすクリスマスイブとクリスマスなんだから。
「ま、でも篠原は大変だろうな。」
「え、なんで?」
「え、知らないの?」
「な、何を…?」
「まじかよ…」
はぁ…と孝太から深いため息が聞こえる。
それと共に、これだからドがつく鈍感野郎は…という声も聞こえた。
「悪かったな、ドがつく鈍感野郎で。」
「ホントにな…。」
「おまえ、ホントムカつくな!!」
「だって、本当のことだし。」
相変わらずの孝太にため息が漏れるも、孝太が言ってたことはすごく気になる。
篠原が大変だってこと。
「で、なんなんだよ、篠原が大変って。」
「あぁ…。あいつ、クラスマッチ以来モテ期到来だろ?」
「あー…うん。」
「それで、いろいろ言うやつがいるわけよ。」
「何て…?」
「なんで夕貴先輩と付き合ってんの!?とか。俺と付き合ってよ!!とか。」
「うわー…」
なんか…すっげー申し訳ないな。
「それってさ…体育祭のとき公開告白みたいなことしたから…とか?」
「ま、そうだろうな。新聞にも大きく取り上げてるし。」
「だよな…」
「でも、まだあんだよ。」
「え?」
「おまえのこと好きだって生徒も多いだろ?」
「え、そう…なの?」
「まぁ、うん。それで、おまえのこと好きっていう生徒にも、別れろだとか、不良のおまえには釣り合わないとか…。いろいろ言われてるみたいだぞ。」
「え…」
「ま、あいつは全然気にしてないみたいだけどさ。ちょっとは声掛けくらいしてやれよ。」
孝太の言葉がナイフのように胸に突き刺さる。
俺たちのこと、みんな祝福してくれてると思ってた。
実際はおめでとうとか、お幸せになんて言われてるし…
だから、孝太の話はすっごく辛かった。
だって、あいつ何も言わないから…
自分ばっかり背負い込んで。
何のための彼氏だよ…
何のための恋人だよ…
何のために俺がいるんだよ…
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