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雪の降る季節 04
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「眠い…」
「おはよう、先輩。朝ごはん出来てるけど食べる?」
「食べる…」
のそのそと温かい布団の中から顔を出す。
すると、ヒヤッと冷たい空気が顔にあたって。
眠たくて起きたくないのに、余計布団から出るのが嫌になった。
「先輩、起きれないの?」
おぼんに朝ごはんを乗せたドアから顔を覗かせる。
そんな篠原と目が合って。
起きないと、と思って体を動かしたけど、腰が痛くてなかなか起き上がることが出来なかった。
「腰、痛い?」
近くの机にご飯を置いて。
俺の寝ているベッドまで近づく。
そして、俺の腰を優しく擦ってくれた。
「今日、行けそう?」
「意地でも行く。」
「そんな無理しなくても。」
「おまえが手加減しないからだろ!」
「そうだけど…。でも、いつでも行けるんだし。」
「今日がいいんだよ。今日が。」
だって、今日はクリスマス。
篠原と過ごす初めてのクリスマス。
だから、思い出に残る日にしたい。
篠原と一緒にいたい。
「俺も、今日がいい。」
「篠原…」
「とにかく、朝ごはん食べよ?食べれないなら、俺が食べさせてあげるけど。」
「い、いい!自分で食べる!」
「そんな遠慮しなくても。」
「遠慮なんしてない!いいから、おまえは準備してろ!」
「はいはい。」
そう言った篠原は、ベッドまでご飯を運んでくれて。
俺の膝の上に置くと、寝室を出て行った。
俺は、篠原が出て行くのを見送ると、視線を膝の上に乗ってある朝ごはんに目を向けて。
スプーンをとって、スープをすくって。
口へと運ぶ。
コンソメと玉ねぎの味、そしてスープの温かさに、冷えていた体がポカポカと温かくなって。
「おいしい…」
ポツリと自然に声が漏れて。
それと同時に、これから篠原と一緒に出かけることを想像すると、胸が高鳴った。
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