アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
雪の降る季節 13
-
篠原の言葉になぜだか篠原の顔を見るのが怖くなって、俺は俯いて自分の足元に視線を移した。
そんなの俺だって…
情けないとこや汚い部分を見せて、篠原が思ってる俺じゃないって幻滅させて嫌われたらって…
考えるだけで体が震えるほど怖くなる。
だけど…
「たぶん俺は…初めて会ったときからおまえのこと好きだったんじゃないかなって最近思えてくるんだ。」
「え…?」
勇気を出して喉から声を絞り出して篠原の方を向いて、ちゃんと言葉で伝える。
薫くんとの件で、俺たちに足りないのは言葉で伝えることだと気づいたから。
隣を見ると信じられないって顔をしてこっちを見ていた。
ま、篠原が驚くのもわかる。
だって、初めて会ったときっていうのは篠原が覚えている中学生のころのきれいな出会いではなく、空き教室で出会ったときのことだから。
「でも、俺…あのときは先輩を…」
「無理やりヤろうとしたこと?」
「っ…」
「でも、おまえは優しいから…ヤらなかった。」
「でも、」
「俺がいいって言うまで手を出さなかった。ヤる機会なんていつでもあったのに…」
「せん、ぱい…」
「だから、おまえは心がすごくきれいなんだよ。俺はたぶん…そこに惹かれた。」
なんでだろう…
こんな恥ずかしい言葉…絶対に言わないのに。
こんな素直に言えるわけないのに…
あぁ、そうか…
今日がクリスマスだからか…
恋人と過ごす素敵な日だから、か…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 68