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雪の降る季節 21
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「へ、変なこと聞くな。つか、俺ピアス付けないとだから。ちょっと離れて、」
「今、先輩と俺の思ってることが一緒だったらさ、それしよっか。」
「は!?」
突然の言葉に少し後ずさって距離をとる。
「な、何言って、」
「キス。」
「へ…?」
「俺は今…先輩とキスがしたい。」
「っ…」
「先輩は?俺とどうしたい?」
聞かなくてもこいつはわかってる。
同じようなこと、考えていたことを。
「き、聞かなくてもわかるくせに…」
「わかんねーよ、言ってもらわないと。」
「っ…」
こいつの余裕の笑み。
憎たらしい…
ムカツク…
でも、それ以上に…
俺はこいつが好きだ。
「お、俺、も…キスが、したい…」
震える声を振り絞って出す。
自分の気持ちをさらけ出すのはやっぱり勇気がいるし、恥ずかしい…
俺は今おそらく真っ赤であろう顔を隠すように俯いた。
すると、顔にかかった髪を耳にかけて篠原の顔が近づいてきた。
キスされる
そう思った俺は鼓動を高鳴らせながら、ぎゅっと目を瞑ると耳元で何かを囁き出した。
「じゃあ、その前にピアス付けて。」
「……は?」
思わず目を開けて顔を上げると、また付けられていないピアスを手のひらに乗せて早く早く、と笑いながら急かすように手のひらの上でピアスを転がしていた。
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