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哀しみの雨 02
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ここに来てからどれくらい経っただろうか。
俺が楽しみにしていたムカデ競争なんかもうとっくに終わっていて。
プログラムも結構進んでいる。
そろそろ戻らないと…
頭の中でそう思っていても、体が言うことを聞かない。
戻りたくない、と。
体が拒否している。
たぶん、それは篠原と薫くんの姿を見るのが怖いから…
俺が言ったことなのに…
「はぁ…」
思わずため息がこぼれて。
それと一緒に一生懸命拭ったはずの涙もこぼれた。
「なんで涙なんか…」
さっきあんなに泣いたのに…
それでも止まらない。
止められない。
また必死で止まらない涙を拭う。
すると、ザァーっと。
窓の外から音が聞こえて。
まさか…、と思って窓の外を見ると、案の定雨が降っていて。
もしかしたら、あの雨は俺の心の雨かもしれない、と。
ふと思った。
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