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俺の隣 05
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「ハチマキ伝説って知ってるか??」
空き教室を出て、廊下を歩いて。
グラウンドの方に向かっていると、孝太がポツリと呟いた。
「ハチマキ伝説って…競技中にハチマキを交換出来たら永遠の愛が実るってやつだろ??」
「知ってたのか??」
「話してるのが聞こえたから。」
「そっか。」
「でも、それがどうかしたか??」
「いや、それやればいいのになーって。」
「はぁ!?」
俺の大きな声が廊下に響き渡る。
「む、無理に決まってるだろ!!」
「なんで。」
「なんでって…。だって、一緒にやる競技なんて…」
「あるだろ、1つだけ。」
「え??」
「借り物競走だよ、借り物競走。」
"借り物競走"
その言葉にドクンと心臓が高鳴った。
あの嫌な思い出が蘇ってくる。
「借り物競走で篠原を借りればいいだろ。」
「でも、そう簡単にいくわけ…」
「嫌な思い出があるのはわかる。間近で見てたから。」
「っ…」
「でも、それから逃げても何も変わらないだろ??これしかないんだよ。」
孝太の強い言葉に軽く背中を押された気がして…
「わかった。」
俺もそれに応えるように強く言った。
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