アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺の隣 06
-
篠原柊side
「先輩どこだよ…」
学校中を走り回って。
大好きな先輩を探す。
でも、見つからない。
いない、どこにも。
あれから、俺は長谷川に話を聞いた。
あのとき…
先輩と空き教室でえっちをしようとしたとき、長谷川に見つかって、追い出されて。
そのあとに話したこと。
先輩の気持ち。
『会長、嫉妬してたんです。』
『嫉妬??』
『篠原くんに近寄ってくる人に。』
『え??』
『会長、言ってました。恋愛は欲張りになるって。』
『欲張り…??』
『気づいたら、好きになってて。気づいたら、好きな人のことばっか考えてて。気づいたら、触れて欲しいって思ってしまって。気づいたら、どんどん欲が出て、もっと深く繋がりたいって思うようになって…。恋愛ってそういうものだって。でも…それと同時にこんなことも言ってた。俺は自信がなくて、臆病で弱い人間だって。』
『っ…』
『だから、嫉妬も言えない。篠原は俺のだって言えない。篠原が好きなのに、って…。すごく辛そうでした。』
それを聞いたとき、俺の頬に涙が伝った。
わかってた。
先輩は自信がなくて脆い人だって。
壊れやすい人だって。
だから、壊れないように…
まるで宝物みたいに大切にしようって思ってた。
そう思ってたのに…
「何やってんだよ、俺…。」
情けない言葉だけが、俺の口から次々とこぼれてきて。
余計惨めに思った。
自分の不甲斐なさに嫌気がさした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 68