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俺の隣 13
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「きゃああぁああぁぁぁ!!!!!」
「わぁあああぁあぁぁあ!!!!!」
悲鳴だか、歓声だか。
なんだかよくわからない叫び声がグラウンド内に響く。
「な、何してんだよ!!」
「何ってキスだけど。」
そこでようやく気づいた。
こんなみんなの前で。
まるで見せ付けるかのように俺たちは愛の告白を…
そう考えると、ぶわっと一気に体全体が熱くなった。
「キスって…!!みんな見て、」
「もうずっと見られてるからいいじゃん。」
「それはそうだけど…。でも、今までは、いろいろといっぱいいっぱいで…。篠原に気持ちを伝えることしか頭になかったから、
みんながいることに全然気づかなかったんだよ…」
真っ赤な顔を隠すように視線を逸らして。
か細い声で呟くように言った。
すると、握っていた篠原の名前が入ったハチマキを俺から取って。
優しい手つきで俺の頭に巻いてくれた。
「俺、何度だって誓うよ。」
「え??」
「先輩との永遠の愛。」
「っ…。み、みんながいる中で何言って、」
「みんながいるからだよ。みんながいるから、ちゃんと聞いて欲しいんだ。先輩にもみんなにも…。俺の気持ちを。」
「っ…」
頬をするりと撫でられて。
優しい目が俺を捕らえた。
「俺は何度だって誓うし、何度だって言う。だって、先輩が好きだから。」
「しの、はら…」
「手放しでごめんね。辛い思いさせてごめんね。」
「それは、俺の台詞だよ…。世間体とか周りの目とかばっか気にして、たくさん傷つけたんだから…。」
「でも、ちゃんと言ってくれた。」
「え…」
「世間体とか周りの目とかどうでもいいって。そう思えるくらい俺が好きだって。」
「っ…」
「俺、すげーうれしかった…。ありがとう…。」
「しの、は…ら…っ…」
篠原の顔がだんだん近づいてきて。
恥ずかしくてぎゅっと目を閉じると、ちゅっとリップ音を鳴らしながら、ハチマキに軽くキスを落として。
そのままコツンと、額と額を合わせた。
「先輩の気持ち、ちゃんと伝わったから。ちゃんと届いたから。」
「篠原…」
「また俺のところに戻ってきて。俺の隣にいて、これからもずっと…。」
額を合わせているから、顔が近くて恥ずかしいけど。
篠原は目を合わせて言ってくれて。
それがすごくうれしくて、幸せで。
だから、俺も…
「うん…。いるよ、これからもずっと…。」
篠原と目を合わせてそう答えた。
すると、あまりにもすごく優しく笑ってくれるから、俺も自然と頬が緩んで。
パチパチと盛大な拍手と、「おめでとう!!」と言う祝福の言葉に包まれながら、2人で笑い合った。
「先輩、好き。愛してる…。」
「俺も…愛してる。」
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