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俺の隣 14
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それから、永遠の愛を誓って、どうにか仲直りした俺たちは、先生たちに…
「いいから、さっさとゴールせんかー!!!」
と、怒鳴られて。
それから借り物競争中だということに気づいて、2人で手を繋ぎながらゴールをした。
結果は言うまでもなくビリだったけど、そんなことよりもこの2人の空間がすごく幸せだった。
そして…
「では、ただいまから成績発表をはじめます。」
俺たちのせいで進行が少し遅れたけど、順調に競技は進んでいって…
最後の大目玉でもある軍対抗リレーも終わって、今は閉会式。
優勝軍の発表を心を躍らせながら待っている最中だ。
「第56回、青葉学園高等学校体育祭、優勝軍は…」
シーンと静まり返るグラウンド。
それがまた緊張を張り詰めた。
そして…
「赤軍!!!」
その声とともに、沸き起こる歓声と祝福の声。
先輩たちのうれしくて感極まった涙。
がんばって勝ち取った優勝に仲間同士ハグし合う姿。
負けたけど、みんながんばったねと笑顔と悔しさ、涙の詰まった顔で拍手する姿。
負けて悔しくて…涙が止まらない姿。
俺は生徒会だから、それを前から見ていて、心が温かくなって。
それと同時に、あの短い時間の中でいろいろなことがあった体育祭だったけど、本当にやってよかったなと思った。
「それでは、優勝した赤軍の軍長と副軍長は前に来てください。」
その声とともに、俺は表彰台に上がって。
先輩たちを目の前に賞状を読み、優勝旗と優勝トロフィーを手渡した。
そのときの先輩たちの表情は晴れやかで。
この表情はずっと忘れずに、胸に刻んでおこうと思った。
そして、無事閉会式も終わり、体育祭は終了。
生徒会と風紀委員、体育委員はテントや机などの片付け。
他の生徒は、親と楽しそうに話したり、もう疲れたからと寮に帰ったりしていた。
「会長。」
「長谷川…」
まだまだ片付けることが多く、せっせとテントをたたんでいるときに声をかけられて。
振り返ると、そこには長谷川が立っていた。
「あの…」
顔を俯かせて、申し訳なさそうに話し出そうとする長谷川。
俺はふっと優しく微笑んで、長谷川の傍まで行き、安心させるように軽くポンポンッと頭を撫でた。
「ありがとう。」
「え??」
「あのときの会話、篠原に言ってくれてありがとう。」
「えっと…でも、あれは秘密だって…。」
「だから、今日まで秘密にしてくれてた。でも、借り物競争のときの俺らを見て、いてもたってもいられなくなった。」
「会長…」
「そう篠原が言ってた。」
「え!?篠原くんが!?」
「うん。」
本当にびっくりしたらしく、長谷川は大きな目をさらに大きく見開いて。
口をパクパクさせていた。
「ずっと黙っておくつもりだった。言うつもりもなかった。でも、やっぱりちゃんと伝えるべきだったって…長谷川が篠原に伝えてくれて、そう思った。」
「会長…」
「自分の本当の気持ちは…やっぱりちゃんと伝えるべきだよな。」
頭を撫でていた手を肩に置いて。
耳元に顔を近づけて、こう囁いた。
「幼なじみとは仲良くね。」
すると、長谷川はまた口をパクパクさせて。
顔を真っ赤にしながら、「会長!!」と大きな声を上げて。
そんな後輩の姿がとてもかわいくて、自然と頬が緩んだ。
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