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俺の隣 15
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「あんまり後輩をいじめんなよ。」
「孝太。」
長谷川が頬膨らませながら帰っていって。
テントたたみの続きをしていたら、孝太がやってきた。
「おまえにだけは言われたくないんですけど。」
「だろうな。」
ははっと笑いながら俺の隣に来て。
孝太は俺のテントたたみを手伝ってくれた。
1人でやるより2人でやったほうが仕事もどんどん早く終わっていき、最後の一個のテントを2人でたたむ。
「よかったな。」
そんなとき、優しい声が隣から降ってきて。
びっくりして隣を見ると、すごく優しそうな笑みを浮かべていた。
「な、何が??」
「篠原とのこと。」
「あぁ…うん。ホント、いろいろ迷惑かけてごめんな。」
「別にいいって。親友なんだから、そんなの当たり前。」
手際よくテントをたたみながらうれしい言葉を投げかけてくる孝太。
その言葉に俺はうれしくてうれしくて…
手が何度も止まりそうになっては、仕事だからと自分に言い聞かせた。
「でも、ホント今回は孝太たちのおかげだから。おまえらがいなかったら、たぶん本当の気持ちに気づかないまま…伝えられないまま…。終わってたかもしれないから。」
そう考えると、肩がぶるりと震えて怖くなって。
ホント、友達の力ってすごいなって改めて思った。
「もう隠すなよ、自分の気持ち。」
「うん。」
「付き合ってんだから。ちゃんと遠慮なく言うんだぞ。」
「うん。」
「…仲良く、な。」
「うん…。」
孝太の1つ1つの言葉が胸に染みて。
もっと大切にしたい。
好きって言いたい。伝えたい。
ずっと傍にいたい。
隣で笑って欲しい。
篠原とずっと…
いろんな感情が込み上げては溢れ出した。
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