アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺の隣 16
-
「あ、そうそう。そういえば、さっきのぐっちゃんがおまえ探してたぞ。」
「のぐっちゃんが??」
テントたたみも終わって。
孝太と倉庫にテントを運び入れる。
そんなとき、孝太が思い出したように喋りだした。
「夕貴はどこ行ったー!!!だって。何かしたのかよ。」
「べ、別に何もしてないんだけど…」
のぐっちゃんとは野口忠義(のぐちただよし)先生のこと。
通称、のぐっちゃん。
はるちゃんと仲がよく、一緒にいるところをよく見かける。
体育の先生で、まぁ…熱血という言葉がすごくぴったりな先生。
かっよこくて、生徒からの評判もよく、いい先生なんだけど…その熱血っぷりと横暴さ、がさつさには時々ついていけなくなる。
「でも、結構怒ってたぞ。」
「まじ…??のぐっちゃん怒らせるとめんどうなんだよな…」
「ま、早めにのぐっちゃんとこ行った方がいいと思うよ。」
「だよな…。」
俺は急いでテントを倉庫に運び入れて。
孝太と別れてから、のぐっちゃんを探しに行った。
すると、役員のみんなから、「のぐっちゃんが探してましたよ!!」と言われて。
役員たちの話を頼りにのぐっちゃんを探した。
「いた。」
役員が言ってた通り、のぐっちゃんは学校の少し離れたところでたばこを吸っていた。
「のぐっちゃん。」
名前を呼ぶと、たばこの煙をフゥ…と吐きながら、こちらを向いた。
「お、夕貴。おまえどこ行ってたんだよ。」
「仕事です。てか、のぐっちゃんこそ片付け手伝ってくださいよ。一応体育委員の先生なんですから。」
のぐっちゃんにどんどん近づいていくと、たばこの匂いが鼻を掠めた。
「サボリ魔には言われたくねーな。」
「な、なんですか!!サボリ魔って!!」
「サボリ魔はサボリ魔だろーが。体育祭だっていうのに、ほとんどの競技すっぽかしやがって。」
「うっ…」
「おまけに、借り物競争ではあーんな愛の告白するし。」
「なっ!!」
「いつから生徒会長さんはこーんなに悪い子になっちゃったんだろうな!!」
あぁ…もう…
ホント…めんどくさい!!
のぐっちゃんっていっつもそうなんだよな…
何か気に食わないことがあるといっつもこうだ。
おまけに今日は結構ひどいし…
「おまえがサボってる間に、俺がどんだけ苦労したか、」
「あー、もう!!!わかりましたよ!!何かすればいいんでしょ!?」
「そうそう。それでいーんだよ。さすが、会長さんは物分かりがいいねー。」
たばこを携帯灰皿にいれて。
してやったりという笑顔で頭を豪快にわしゃわしゃと掻き回された。
俺はこのときふと思った。
もうのぐっちゃんを敵に回したくないな…と。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 68