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俺の隣 18
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「篠原。」
振り返ると、やっぱりそこには篠原が立っていて。
俺の顔を見ると、ニコッと優しい笑顔を向けて、こっちまで駆け寄ってきた。
「な、なんでこんなところに…??」
「それはこっちのセリフ。生徒会の仕事じゃなかったの??」
「そうだけど…。のぐっちゃんに頼まれて。」
「のぐっちゃんに??」
「うん。てか、頼まれてっていう言い方もおかしいんだけど…」
「ははっ、なにそれ。のぐっちゃんと何かあったの??」
「えーっと…体育祭の競技で俺、結構サボったのがあって、それで…。」
「あぁ、なるほどね。」
「つか、そういうおまえこそこんなところで何やってんだよ。」
「何って??」
「だって…もう寮に帰ったのかと…」
「うーん、そうだったんだけどね。」
カゴに入っている、洗濯済みの服を取って、パンパンッと水をはじいて。
ハンガーに袖を通してかけていく。
「な、何やってんの??」
「手伝おうと思って。」
「え??」
手際のいい手付きでどんどんカゴの中の洗濯物がなくなっていく。
「部屋で待ってたんだけど、なんか落ち着かなくて、早く先輩に会いたいなって思って。」
「なっ…」
「それで、気づいたら部屋から出てて、グラウンドに行って先輩探してて。」
「っ…」
「孝太先輩に会って、のぐっちゃんのとこ行ってるって聞いて、のぐっちゃんのとこ行ったら、ここにいるって言われて。」
「それで、わざわざここに…??」
「うん。まさか、こんな大量の練習着とユニフォーム洗濯してるとは思わなかったけどね。」
ピーッと洗濯機が止まる音が聞こえて。
篠原が手際よく洗濯物を取り出して、まだ洗ってない練習着とユニフォームを洗剤と一緒に洗濯機の中に入れていく。
俺も、また増えたカゴの中の洗濯物を一枚取り出して、篠原と同じように、水をきって、ハンガーにかけていった。
「あとは俺がするから、部屋に戻ってていいよ。」
「え??」
「だいたいは俺が任された仕事だし…。体育祭で疲れてるのに、こんなことまで手伝わさせて申し訳ないし…。」
「でも、先輩がサボったのって元はといえば俺のせいでもあるでしょ。」
「それは…」
「それに、1人でやるより2人でやったほうが早く終わるでしょ。」
ピッとボタンを押すと、また洗濯機が動き出して。
それを見届けてから、俺の隣にきて、一緒に並んで洗濯物を干していった。
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