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俺の隣 19
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「なかなか終わりませんね。」
「ホント…。のぐっちゃん、どんだけ溜めてんだよ。」
ため息をこぼしながら、せっせと洗濯物を洗っては干し、洗っては干しを繰り返す。
「ホント、ごめんな。こんなこと手伝わさせて…。」
「いいって。それに、早く終わらせて、先輩抱きたいし。」
「そうだよな。早く終わらせて……え??」
今、何て言った…??
俺の聞き間違いじゃなかったら、確か…俺を抱きたい、とか言ってたよな…??
いや、そんなわけないだろ!!
俺の聞き間違いだよ!
そうだよ、俺の聞き間違い…
「今日、寮に戻ったら…俺、先輩抱きますから。」
じゃなかったー!!
「は!?な、何言ってんの!?」
「だから、帰ったら先輩抱くって言ってるんです。」
「はぁ!?」
「先輩はいや??俺に抱かれるの。」
「そ、そういうわけじゃないけど…。でも、今日はちょっと…」
「なんで??」
「なんでって…疲れてるし。」
「明日、振替休日で休みだからいいじゃん。」
「そういうことじゃなくて…」
手に持っていた洗濯物をカゴに投げ入れて、俺のところまでズカズカと歩いてくる。
「な、何…??」
すると、手首を掴まれて。
「ちょ、何する、うわっ…っ!!」
グイッと引っ張られたかと思うと、そのあとすぐに背中に鈍い痛みと冷たさが広がって。
ゆっくり目を開くと、目の前には篠原の顔。
そして、両手と体を壁に押しつけられていた。
「今日じゃなきゃダメなんです。」
「え…??」
「今日抱きたい。」
「ちょ、おまえ…そういうことをそんな大きな声で、」
「離れてたのは、今日1日だけだけど…。俺にとってはすげー長く感じて。だから、今日はもう…離れたくない。」
「っ…」
目の前の篠原からはさっきまでの笑顔が消えていて。
苦しく歪んだ顔が広がっていた。
たぶん、今日のことは篠原にとって重いトラウマになってるんだと思う。
心の大きな傷になってるんだ…
「いいよ…」
「え…??」
「ヤろう、篠原。」
「せん、ぱい…??」
手首を掴んでいた手の力が抜けていって。
篠原の手からスルリと離れる。
俺は、その腕を篠原の背中に回して。
ぎゅっと篠原を抱きしめた。
「俺も離れたくない…」
「っ…」
「離れたくないから…」
すると、篠原の腕も俺の背中に回されて。
ぎゅっと力強く抱きしめた。
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