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本心2
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じんわりと伝わってくる体温。
二都は案外、体温が高いようだ。
「何して…」
振り返ろうとしたとき、耳に息を吐きかけられた。
「ひっ」
それに驚いて、変な声を出すと、二都は耳元で小さく笑った。
「一緒に寝てくれないから、せめてもの意地悪だ」
そういうと、先ほどより強く抱きしめた。
…何か当たってる。
「…二都」
「我慢してくれ。俺だって我慢してる」
そういうと、抱きしめたまま、二都は目を閉じた。
どのぐらい経っただろうか。
後ろから抱きしめられたまま、立ちっぱなし。
当の二都はずっと目を閉じている。
まさかここで寝ているわけではあるまい。
「おい、二都」
「…ん、悪い。寝てた。」
「まじかよ。ほら、寝ろ」
二都をベッドまで連れていくため、腕を外そうとする。
しかし、思いのほか強い力に、三守はムッとした。
「寝る前に。トイレを貸してくれ」
何をするかなんて聞かなくてもわかる。
外せなかった腕を簡単に離れていく。少し寒さを感じた。
先ほどの声がよみがえる。
あんな声。
思い返した時には、すでに、勝手に体が動いていた。
二都の腕を強く引っ張っていた。
「なんだ」
「え、」
「腕」
言われて初めて気づく。
強い力で二都の腕を引っ張っていた。
言い訳など考えておらず、とっさに思い浮かんだ言葉を言ってしまった。
「お、俺にだって慈悲くらいはある」
「そうか」
簡単に返事をして、再びトイレへ向かおうとする二都。
もう一度、腕を強く引っ張った。
「あのなぁ、三守。察してくれ」
呆れたように、ため息をつきながら二都は言った。
そんな二都を、下から三守は見つめた。
「お、おれが。俺が、ヌいてやる」
言った瞬間、後悔した。
あんな嫌そうな二都、初めて見たからだ。
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