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エスコート3
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その瞳が映す感情の意味を三守が理解する前に、二都はその目を閉じさせた。
目を手で覆い隠された三守は口の中で舌打ちをする。
(ちがう、抵抗する力がなかっただけだ)
どう考えても三守には抵抗しない理由などないのだが、二都は何も言わない。
二都は片手で目隠ししたまま、もう片方の手の中にある三守の両手首をそっと撫でた。
何をそんなに目隠しする必要があるのだ。
優位なのはαなのだ。
今更、Ωが逃げられるわけがない。
「…ッ!」
唇に柔らかいものが当たる。
思わず歯を食いしばり、唇も固く閉じた。
しつこくキスをし続けるのだろう、と思っていたが二都はすぐに離れていった。
目を塞いでいた手が離れる。
明るい照明が目に入り、思わず目を細めた。
今度は視界ははっきりとしていた。
「…?」
三守を組み敷いた状態で二都は、三守を見下ろしていた。
その瞳からは、やはり何も感じられない。
いや、奥にあるのは欲情の熱か。
どちらにせよ、三守は身動きが取れない。
三守は、もしも、二都がうなじを噛むような素振りをすれば、殴るつもりでいる。
そのため、今の二都の状態には警戒していた。
最悪、体は差し出してもいい。
しかし、二都と番になるのだけはごめんだ。
たとえそれが『運命の番』であっても、だ。
「……クソッ!」
突然、二都が大声で叫び、三守から離れた。
ぐるぐると対策を考えていた三守の頭の中は途端に白くなる。
二都が聞いたことないほどの大声で叫んだからだった。
崩れかけていた髪のセットを手でぐしゃぐしゃとさらに崩す二都。
ベッドの端にすわりながら、大きくため息を吐いた。
いきなりのことで、三守は呆然とした。
なにが起こったのか、理解ができたのが二都が静かに目を閉じてからだった。
「三上、聞いてくれるか」
「な、なにを」
「俺がお前のこと『運命の番』だと言う理由だ」
うつむいたまま、二都は語り始めた。
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