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…この笑顔が俺に向けられたものではなくても、今彼とつながっているのは瑞樹じゃなくて俺だ。
だから、
勘違いすることにした。
彼は俺のことを好きなんだって。
思うだけなら罪にはならない。
「瑞樹すきだよ」
「っおれも…」
額に頬に唇にキスをするその仕草はとても優しい。
俺もそれに答えキスを返す。
…この行為が、この想いが、どれほど非生産的で不毛かなんて痛いほど理解してる。
あの言葉が、
あの笑顔が、
俺に向けての言葉だと勘違いをするふりをしても事実は何も変わらないことも理解してる。
…どちらにしろ、この行為を終わらせる事なんて俺には絶対に出来ないし、終らせたくないんだ。
どれほど不毛な恋でも
これが
この偽りの愛だけが
俺と彼を繋ぐ唯一のものだから。
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