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風邪を引きました。②
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『……ん、…。』
うっすらと瞼を開ける。何故か俺は 暗い部屋の中、布団に寝かされていた。
ふかふかと暖かい布団からは、俺のじゃない他の匂いがする。黒と白でまとめられたモノトーンの部屋。見覚えのないその空間に、俺はぼーっとする頭で見回しながら、上半身を起こした。
「あ…、起…きた…?」
ふいに聞こえるたどたどしい日本語。声がした方に目を向ければ、先ほど自販機の前であった 高村 昴がいた。
『っ…此処は?』
掠れて上手く出せない声で、そう高村に聞く。
「俺…部屋…。ほっ…とけ、なかった…から…」
心配そうにこちらを見る高村に、不思議とむず痒いほっとするような気持ちになる。
『そうか…。ありがとうな。ごめんな、俺 帰るよ。っ…』
「あぶな…っ」
いつまでもいるのは迷惑だろうと、ベットから降りようとすると力が入らず倒れそうになる。それを支える高村の腕。
「だ…め、っ!元気…なる、まで…此処…いて?」
『でも…』
「い…い、から」
優しくまたベットに寝かしてくれる高村に申し訳なくなり、断ろうとすると、遮られてしまう。
どっちにしろ、自分の部屋まで歩けそうにない…。
「いや…?」と、シュンとして落ち込む高村に俺は自然と笑みを浮かべながら、頭をなでた
『…ごめんな。数日、お世話になる。』
「う…んっ!」
俺が言うと、途端に元気になった高村が可愛くみえる。身長は俺より断然高いのに(約185ぐらいだろうか)、犬にみえるのは何故だろう。
「ご飯…たべ、る?も…って来る…」
尻尾をぶんぶん振りながら、嬉しそうに高村わんこが寝室から出ていった。
さっきよりは幾分楽になったが、まだ全然体に力が入らない。
『…これは、しばらく帰れそうにないな…』
どうせ、帰ったところでこの身体じゃ料理すら作れやしない。
高村は廣瀬のように襲って来たりはしないだろう…。
俺はしばらくの間、ここにお世話になることにした。
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