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契約金
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お早うございます」
「お~桐江!お前こっちな」
その日会社に着くなり阿部先輩に
大声で呼ばれ手招きをされた。
阿部さんは僕より二年先輩で
新人研修から仕事のノウハウや
得意先回り、対クライアントの癖や
人となりを教えて貰った。
面倒見が良くてよく飲みとかも
連れて行ってもらう。
仕事もできる一番尊敬する先輩だ。
最近では一人で飛び込みとか
つきっきりではなくなったけど
この仕事はチームで
実際は動くことが多いから
今でも一番近しい関係である事には
変わりない。
「ハイ?」
課長のデスク周りには数人の人だかり。
今って特に急ぎの案件抱えてなかった
はずだけど……
「何かあったんですか?」
「あった、あった」
その陽気な感じからは深刻さはうかがえない。
「何か面白い会社でさ。
交渉前に向こうが契約金提示してきたんだよ」
「え?まだ取引実績も無いのにですか?」
「しかも、破格。凄いぞ、見てみ」
契約金は依頼されてからどういった
キャンペーンを組むかとか
散々議論するのに……プレゼンとか
何もやる前に契約金?
予算を提示してくるのは
あるけど、全く今まで取引も
したことのない会社相手にいきなり?
前代未聞じゃないかな。
少なくとも僕は未だ聞いたことがない。
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