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一社員として
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「知り合い?」
千葉さんが僕達のやり取りを
見ていて口を挟んできた。
「友人の弟さんです」
「ああ……それで」
僕はこの時の千葉さんの言葉は
“友人の弟”って意味だと思っていた。
(この子、高校生ですよ)
と小声で言うと普段動じない千葉さんさえ、
(……マ・ジ・か?)
と驚いた声で返答が返ってきた。
それでも表情に一切出てないところが
流石千葉さんだけれど。
あ、ヤバイ。
いくら知り合い、目下の学生といえど
これは仕事だ。
「えと、改めまして私、担当の桐江。
こっちは同じ部署の千葉です。
今回は弊社と取引頂きありがとうございます」
「千葉です。うちの桐江が色々お世話に
なっております」
二人揃って頭を下げ名刺を手渡した。
「わざわざご丁寧に有難うございます。
僕も生意気ですが名刺お渡ししても
宜しいでしょうか?」
「是非」
「それと僕は明らかにお二人より目下です。
しかもこういった立場で来てはいますが
未だ社会人としても確立してもおりません
故に、どうぞ敬語など使わないで下さい、
お願いします」
堅苦しい言い回しは昨日今日の
付け焼刃では無いのがその言動から
よく伝わってくる。
あの万事調子良い兄の石川とえらい違いだ。
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