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美貌のCEO
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一緒にきていた千葉さんがニッコリ
笑顔を崩さずに器用に
時々チラチラ時計を見てる。
一方、石川君は慣れているのか
連絡を取ろうという様子も一切見せず、
というか特に気にもしていようで
資料に目を通したり、質問してきたりと
とっても時間を有効に活用している。
僕はそんな対極の二人を見ながら
紅茶を嗜むといった具合の三者三様。
最初は店の扉が開く度にそっちへ視線を
向けていたけど、次第にそれさえ
しなくなった頃になって漸く
一人の人物がまっすぐこちらに歩いて
来るのに気が付いた。
見れば金髪で長身の青年。
その姿からして間違いなく
僕達が待っていた人物その人のようだ。
足取りから事故でないことは分かった。
あーもー単にルーズなんだね!?!?
大遅刻なんだから
せめて走って来ようよ、ボス!
「………………」
大事なクライアント様に
それは言えないけれど。
苦笑いしながら立ち上がって
僕はその目を間近で見た瞬間驚いた。
それは眼鏡をかけていても分かるくらい
吸い込まれそうな強烈な印象を
受ける瞳はダークグリーン。
男のこの俺ですら少し見入ってしまう位
物凄い美形だったからだ。
男に対して、興味ないこともあるけど
綺麗だとか思ったことは一度だって無い。
初めて“息を飲む程の”って形容詞を
体感してしまった。
「桐江」
「お……おはようございます」
だから、この言葉を発するのに
大袈裟じゃなく数十秒は要したと思う。
握手を求められる手を差し出されて
漸く自分失態に気が付いた。
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