アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
違和感
-
「ああ、そうでしたね。
口だけじゃないんでしたっけ?
何なら試してみせて下さいよ」
(…………なんだ?)
そんなクリスに石川君が怒った顔で
制してきた。
「もうそれくらいでいいだろ、
いくらなんでもやり過ぎだ。
お前が言わないなら俺が言うぞ?」
(今……何か引っかかった……ような)
「ダメ。レイ、それは俺の特権。
邪魔するなって」
「ハァ。勝手にしろ」
石川君はガタッと徐に立ち上がった。
「スミマセン、俺試験に備えて
早く帰りたいのでこの辺で失礼致します。
仕事の件は一段落ついていますが、
もし何かご質問があればそこの男に
お聞き下さい」
「そ、そっかまだ高校生だもんね。
試験頑張ってね。って君なら
問題ないと思うけど」
「失礼します」
僕にまた深々と頭を下げたかと
思うと、クリスに振り向き直して
キッと睨み店を出て行こうと
するのを、クリスが腕を取って止めた。
「まぁ怒るなよ、座れって。
今日は祭日、明日は創立記念日だった筈。
見え透いた嘘がこの俺に通るとでも?」
余程強い力で握られているのか
振りほどけないと諦めたようで
再びしぶしぶと石川君は椅子に
座りなおした。
そのやり取りは多少子供じみていて
会社の同僚というよりやはり
気心の知れた友人同士といった感じに見える。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 188