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忘れたいのなら
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ああ、もしかしてそういう事?
どうしても一線を引いて置きたいとか?
それでも仕事と恐らくは
思い出したくもない過去は
別物としてとらえているんだよね。
そのドライな思考はビジネスにおいて
決して悪いものじゃない。
あくまで単なる知り合いだったとして
距離を取っておきたいのだろうと
理解して、それ以上突っ込むのを止めにした。
変わった。
――本当にあの時の彼とは違うんだ。
見掛けも……きっと中身も。
僕を見ていたのは多分観察だ。
そして変わっていない僕を見て
心の中で笑っていたのかもしれない。
なんか嫌われたものだな、僕も。
悲しいというよりもここまで来ると
苦笑いになってしまう。
あの時、僕に言った事を後悔してるなら
僕は全然気にしてないのに。
でもそれを口にすると折角
忘れようとしてるかもしれない彼に
嫌味と捉えかねられない。
その証拠に彼もその事には一切
触れてこないし。
だから僕も……
敢えて触れないようにしよう。
過去は過去、今は今だから。
それで良いんだよね?四堂君。
多分僕がこの会社にいると知ってれば
四堂君はうちを選ばなかったろう。
僕がいると分かった時さぞや
驚いたろうね。
それでも引き返せないくらい
契約を進めた後だったか……
もしかしたらそれで最初正体を
隠していたとかないよね?
果たしてどの時点で知ったんだろうか?
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